人によって退職の引き止められ方が違います。
どれか一つだけ対策をしても、違う引き止められ方をしたら対処できません。
会社・上司に言いくるめられて、残らざるを得なくなるか、退職までに余計な時間を費やすことになり、転職先に迷惑をかけてしまうことにもつながりかねません。
そうならないためにも、可能な限り対処法を考えておくことで、臨機応変に退職の引き止めに対処できます。
かくいう私は、給与面の見直しによる引き止めを経験しました。
会社側も給与が低すぎるということを自覚していたのでしょう。
しかし、あなたの場合はそうとは限りません。
今回の記事を読んで、状況別の退職を引き止められた対処法を知っておきましょう。
慰留のパターンは4つ
会社はあの手この手であなたを引き止めてきます。
そのパターンは主に次の4つに集約されます。
- 給与・ポジションなどの条件見直しで釣ってくる場合
- 感情に訴えてくる場合
- 人手不足・人材不足の場合
- はぐらかし、ヤメハラをしてくる場合
これらを順に見ていきましょう。
給与・ポジションなどの条件見直しで釣ってくる場合
よく揉め事を解決しようとする場合に、最終的にはお金で決着することがほとんどです。
交通事故、離婚、傷害事件など結末を見ていればお分かりかと思います。
退職に関しても全く同じことが言えて、転職理由の一つに給与面での不満がよく挙げられることから、会社側は給与アップやポジションの見直しで、あなたを引き止めようとしてきます。
私も退職を告げた時に、給与の見直しを提示されたことがありますが、どう考えてもおかしいなと思ってきっぱりと断ったことがあります。
そもそも辞めると言わなかったら、給与アップはなかったわけです。そんなことを急に言い出すのはでまかせです。
仮に、給与見直しを受け入れて、会社に残ったとしても、あなたの仕事ぶりが評価されたわけではありません。
また、そもそも会社の人事評価がおかしかったり、生産性の低い業界だと、継続的な給与アップは見込めません。すぐに頭打ちになります。
こうした背景を一つ一つ考えていけば、会社に残っても、意味がないということがすぐに分かり、退職の気持ちが固まります。
特に、良い求人はタイミングというものがあるので、あの時会社を辞めて転職しておけば良かったとならないためにも、強い意思を持って、退職に揺らぎがないことを伝えましょう。
感情に訴えてくる場合
退職の引き止めの際には、お金ではなく感情に訴えてくる場合もあります。
例えば、
「頼む。残ってくれ!お前がいないと困るんだ」
「君は営業のセンスがある。今ここで辞めてはいけない。あと5年頑張ればトップセールスになれる」
「お前辞めちゃうの?みんな苦しい中頑張ってるんだよ」
こんな感じで、硬軟織り交ぜて、心を揺さぶってきます。
特に勤続年数が長くなればなるほど、人間関係が構築されているので、思わず引き止めを受け入れてしまいそうになります。
でも、絶対に引き止めを受け入れてはダメです。
よく考えてください。ここで感情を揺さぶられて、会社に残ることを決めるような人は、残ってから会社・上司にいいように使われるだけです。
だから、気持ちが揺らがないためにも、あなたがそもそも転職しようと思った理由を思い出してください。
給与面、一部の人間関係、会社の将来性、キャリアアップ、色々あると思います。
これらがあなたの原点になります。原点を忘れなければ、感情に訴えてきても、きちんと対処できます。
人手不足・人材不足の場合
働き方改革による残業規制によって、今まで残業して回っていた仕事が、回らなくなってきています。
つまり、人を雇って補わないといけない状況で、会社としては、このタイミングで辞められると非常に困るわけです。
特に引き止められやすいのが、
- 看護師
- 介護職
- 保育士
- 教員
- エンジニア
です。
これらの職業は、後任が決まるまで退職を待ってくれと言われやすいです。
ところが、次の新しい職場の出勤日が決まっているあなたは、待っているわけにはいきません。
会社に退職を受け入れてもらって、引継ぎを済ませる必要があります。
そのためには、会社側に、
- 強い意思を持って退職理由を告げること
- 新しい職場の出勤日から逆算した退職日を告げること
- 退職願・退職届を出すこと
が求められます。
退職の規定は会社によって異なることがあるので、就業規則を確認しておいてください。
私の場合は、退職を告げて、引継ぎを済ませてから、有休を消化して退職しました。その間は1ヶ月です。退職届も用意していたのですが、渡すタイミングを失って、最終出勤日に総務の社員に渡しました。
割とスムーズにいった方ですが、あなたがそれでも辞めさせてくれない場合は、退職代行を利用するのも一つの手です。
はぐらかし、ヤメハラをしてくる場合
上司に退職を告げようとすると、
「ちょっと待って。取引先との打ち合わせが入っているから、来週にして」
「今は感情が高ぶっているから、落ち着いてからもう一度話そう」
「もうちょっと頑張ってみない?」
というような形ではぐらかしてくることがあります。
何れにしても、こういうことをする会社・上司は、話を持ち掛けても上記のようなはぐらかしが延々と繰り返されるだけなので、埒があきません。
努力して会話をしようとするだけ無駄です。
正社員であれば民法上、退職を告げてから2週間後に退職ができることになっています(就業規則では1ヶ月となっている会社もあるので要確認)が、いくらはぐらかされているといっても、バックレるわけにはいきません。
そこでおすすめしたいのが、退職代行サービス。可能であれば、弁護士が提供しているところにお願いすると、スパッと辞められます。
一方、ヤメハラというのは、会社を辞めようとしている人や辞めることが決まった人に対して、あなた以外の社員が嫌がらせをしてくることを指します。
例えば、
- 退職面談が延々と何時間も経っても終わらない
- 汚い言葉を吐かれる
- 損害賠償を請求してくる
- 退職届を受け取らない・破り捨てる
- 引継ぎを妨害してくる
といったようなことです。
こうやって精神的に追い込んで、根負けさせて、会社に残らせようとしてきますが、決して屈してはいけません。
このヤメハラの場合も、はぐらかしと同様に弁護士の退職代行サービスに相談した方がすっきり解決します。
スパっと辞めたいなら退職代行を利用するのもあり
これまで4つの状況別に退職を引き止められた時の対処法を解説してきました。
その中でもすでに紹介していますが、自分ではどうにもままならない状況に陥っている場合には、退職代行サービスを利用することをおすすめしています。
そのメリットとしては、
- 直接自分で退職の申し出をする必要がない
- 自分でするよりもスムーズに辞められる
デメリットとしては、
- 民間業者に頼むと、逆に訴えらえる可能性がある
- 弁護士に頼むと費用が高いところがある
があります。
しかし、よほどのことがない限りは、訴えられる可能性は低いので、過剰に気にする必要はないでしょう。
未払い残業代・賃金がある人や、どうしても万が一の時が心配な人は、弁護士による退職代行サービスに頼んだ方が無難です。
くよくよと時間が過ぎて退職ができないままでいるよりも、お金を払ってスパッとやめてしまった方が楽ですよ。